TOP > 安江歯科医院 > 詳細情報
 

歯周病と全身の関係について

最近、様々なメディアで歯周病と全身の病気との関係が取り上げられ、気になさっている方も多いと思います。実際、診療の場で質問される事も増えました。
具体的にどうゆうことなのかといいますと、病気で手術や検査をしたときに、本来ならあるはずのない部位で歯周病の原因と言われている菌が見つかったということです。これは、歯周病菌が血液や唾液の流れに乗って口の中からその臓器まで移動し、そこで何らかの疾患の原因になった(あるいは疾患を悪くするのに一役買った)ということです。脳や心臓、肺などで問題となっています。
また、菌が直接その臓器に移動しなくても、歯周病によって体内に放出されたサイトカイン(細胞が作ったホルモンのような物質)の影響で発生するものもあります。糖尿病や骨粗鬆症、早産や低体重出産がそれです。特に、糖尿病との関係は相互的で、糖尿病の悪化によって歯周病も悪化することがあるそうです。
こういったことからも、成人以上の方は今まで以上に歯周病対策くをしっかりされることをお勧めします。歯周病対策は、よほど重症になってしまった方を除けば、毎日の正しいお手入れと定期的な検査と歯石除去でまずは十分ですから、ぜひ取り入れていただきたいと思います。

骨粗鬆症の薬(ビスホスホネート製剤)のおはなし

近年、高齢者、時に閉経後の女性に多く見られる骨粗鬆症が問題になっています。骨折しやすくなるため、大腿骨頭の骨折により寝たきりになってしまったりするからです。そこで、その予防としてカルシウム剤やビタミンDなど様々な薬がもちいられてきました。今回話題にしますビスホスホネート製剤もそういった薬のひとつです。
この薬は骨粗鬆症対策としてはとても良い薬なのですが、歯科では困ったことが起きてしまいます。骨の傷が治らないのです。全身の状態や、飲んでいる期間によりますが、骨に損傷を与えるような治療(例えば、抜歯、インプラント、移植など)をしてしまうと、傷の治りが遅くなるか、最悪の場合治らずに骨が壊死してしまうのです。実際にそれで苦しんでいる患者さんは全国にいらっしゃいます。そこで、骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、それが何であるか、いつから飲んでいるかなどをご自分で把握して、歯科医に伝えてください。分からない方は処方してくれた医師や薬剤師の方に必ず確認してください。
また、この薬は骨粗鬆症以外の方にも使用されています。悪性腫瘍(いわゆる癌)の骨移転の予防です。その場合は飲み薬ではなく点滴で行われることが多いと聞いています。心当たりのある方は、ぜひそれらを確認しておいて下さい。そして、これから飲む事になる方は、ぜひその前に歯科治療を受けておくことをお勧めします。 。

Coのお話

以前から学校検診ではみられていましたCoですが、最近では職場の検診でも使われるようになってきたようです。そこで、今更ですが今回はCoについて説明させていただきます。
まず、Coはなんと読むでしょうか?「シーオー」です。「シーゼロ」ではありません。Coが使われる前から、C1,C2,C3,C4という表記が用いられたので、
思わず「ゼロ」と読みたくなりますが、Oは英語のobservatin(観察)の略なのです。つまり、意味は「経過観察が必要な虫歯」(虫歯候補、虫歯予備軍)です。
健康の場は、必ずしも口の中が見やすいところばかりとは限りませんので、よく見えなくて疑わしいものにCoを付けることもあります。ですから、Coは確認が必要という意味にとらえて、恐れる事なく早めに歯科医院を受診してください。即座に削ったりせず。数ヶ月おきの経過観察や、フッ素塗布で終わることも多いですよ。

CT装置を導入しました

11月半ばにCT装置を導入しました。以前から興味はあったのですが、既存のX線装置の調子が悪くなったため、今回思い切って導入しました。
もともとのX線装置の代わりの働きもしてくれるのですが、今までのものよりも格段に画質が良く重宝しています。もちろん、CTの機能も非常に有用で、インプラント手術や埋まっている親知らずの抜歯、骨の中の炎症などの把握や診断にとても役に立ってくれそうです。親知らず、顎関節症、炎症などの場合、CTも保険がききますし、インプラントの術前診査用には、実費ですが安価で撮影できるようにしたいと考えています。
放射線の被曝の問題もありますので、何回も気軽に撮影するものではありませんが、必要な時には活用していこうと考えています。また、他院にかかっていらっしゃる患者さんの撮影も、そちらの先生からの依頼次第で受け付けようと考えていますので、ご活用ください。
今は導入したばかりなので、操作・活用方法などまだまだこれからの部分は多いのですが、今後にご期待ください。

外傷のおはなし

転倒、(交通)事故、スポーツ、けんかなど、顔面の外傷の機会は思ったより多く、その際に歯などの口腔組織を損傷こともしばしばあります。特にお子さんは遊んでいる最中の外傷が多いようです。
さて、いざ外傷に遭遇すると気が動転してしまうと思いますが、ぜひ以下の点は押さえておいてください。
まずは歯の損傷です。歯が折れた場合、再度くっつけることができる可能性もありますので。破片を持って(できたら乾燥させないように保管して)、早めに歯科医院にかかってください。根から抜けた場合もおなじです。根がある場合は、できたら保管の専用液(保健室にあると思います)に浸けるか、なければ自分の唾液(要は口の中)か牛乳に浸けておいても結構です。いずれにしても時間の勝負ですので急いでください。抜けたり欠けたりせず、ぐらついていたり、付け根から出血しているだけの場合は固定すべきかどうか、レントゲンで判断します。
次に軟組織の損傷です。歯ぐき、唇、頬、舌などに傷がある場合は、異物が入り込んでいないかの確認が必要です。また、縫合の必要性な判断や感染予防の処置などのため、歯科医師に相談してください。
歯を強くぶつけると、その後数日してから変色してくることがあります。たいていは暗い色に変化してきます。神経が死んでしまうとそのように変色してしまいますが、単純に内出血でも同じような変色がおこります。その場合は、時間とともに色が元に戻りますので、長期間の観察が必要です。長い時は1年近くしてから戻ることもあります。レントゲン検査を時々受けながら、様子を見ると良いでしょう。
ただし、ここでお話したのはあくまでも口の損傷だけの場合です。頭をうっている可能性がある場合はそちらの確認を先に行うようにしてください。
いずれにしても、医師または歯科医師の判断を仰いでいただくことをお勧めいたします。

口腔ケアについて

先日、近所の金城学院大学(シャレではないですよ)で行われたエクステンションプログラムに招いていただき、在宅看護と食事の関連についての部門で、口腔ケアの話をさせていただきました。
在宅の方を対象に、または病院で働いていらっしゃる管理栄養士さんや訪問看護士の方、保健所の方などの専門家に混じって「、口腔ケアの方法や器具などのお話を簡単にさせていただきましたが、参加された先生は非常に意欲的に活動されており、会場の一般の方々も熱心にお聞きになっておられました。そんな中で指摘されたのは、在宅の方々は思った以上に口腔ケアの状況を持っていらっしゃらないということでした。
口腔ケアには、われわれ健常者が行うな磨きのような口腔内を清潔にするという点だけでなく、日頃あまり動かさなくなっているお口を動かし、また触った刺激によって、リハビリ的な効果も期待できます。咀嚼(そしゃく)をすることが認知症の改善や進行防止になるとも言われていますが、第一歩としても重要だとおもいます。ご自宅で身内の方の面倒を見ておられる方もおみえだと思いますが、ぜひ気軽に、かかりつけの歯科医に口腔ケアの方法や器具について相談してみてください。歯科経由でしか手に入れにくい専用のきぐなだもありますよ。また、専用でもなくても、一般の歯ブラシなどに少し手を加えると、より使いやすくなったりします、そんなことも相談なされてはいかがでしょうか?

義歯の取り扱いについて

3月11日の東日本大震災のニュースは、3ヶ月が経とうとする今になっても心に跡が残る、本当にショッキングな出来事でした。
大学時代を仙台で過ごした私にとっては、友人知人も多い東北での惨事に愕然とし、何かしたいけど何をしたら良いのか分からないような状態でした。そんな中、当の被害者の方々が元気に、前向きに復興に向けて歩んでいらっしゃる姿を報道で見るにつけ、逆に勇気をもらっているような次第です。
 さて、そんな被害地での生活の様子を見聞きしている中で、義歯を紛失してしまったために、ただでさえ不自由な避難生活がさらに困難になっている方々がいらっしゃることを耳にしました。早朝に震災が起きた阪神淡路大震災と違い、今回は日中の地震だったわけですが、それでも義歯を紛失された方は結構いらっしゃるようです。夜間は、義歯をはずして水にいれて保管していただくのが良いのですが、日中も食事時だけ装着するといった使い方をされていたことが考えられます。義歯は道具です。できるだけ長時間装着していただいて、体になじませる方が良いと思います。もちろん、調子が悪い、あるいは合わない場合はかかりつけ歯科医に調整してもらう必要があります。そうして、日頃から万全な状態で義歯をご使用ください。
 また、今後震災が懸念される地域にお住まいの方は、夜間もタッパーウェアーなど密閉できる容器に水を入れ、枕元に保管されるのも良いかと思います。

予防歯科のお話

 先日、大学の同級生ご講師を務めるセミナーに出席してきました。(臨時休診でご迷惑をお掛けしてしまった方、申し訳ありませんでした。)内容は、予防歯科を取り入れて、歯科医院経営の方向を変えていくという話でした。
 予防歯科というのは、読んで字の通り、虫歯や歯周病などの歯科疾病になる前に予防しましょうというものです。赤ちゃんのお口の中は元々生まれた時には無菌状態です。しかし、成長に伴って、ほぼ100%の方が虫歯や歯周病の元となる菌を持つようになります(もちろん、その他様々な菌もです)。ただ、菌を持っていても必ずしも皆さん全員が虫歯や歯周病になってしまう訳ではありません。菌は持っていても発症しない。この状態を目指しましょうというのが予防歯科の考え方です。今までは、虫歯で穴があいてしまったり、痛みが出てきたりしてから治療するのが支流でしたが、世の中の考えも徐々に変わってきました。これからは痛い思いをする前に、何とかしょうという訳です。
 当院でも、今まですでにそのような考え方の下で定期的に点検とお掃除をさせていただいております。ただ、保険でできる範囲が限られていたり、人員や設備の関係で大々的に予防歯科をやっていますと言うほどのことはできていませんでした。
 今回、友人の話を聞き、それに触発されて、やはり予防歯科は大切だと思いました。
すぐに体制を変えて行くことはできませんが、徐々にそういった考えを取り入れていきたいと思っています。
皆さんも、予防的な指導などをご希望でしたら、お気軽にご相談ください。

芸術の初夏?

 今回は治療の話ではありません。芸術について、なんて言うと高尚な話を期待されてしまうかもしれませんが、単なる報告です。今月(22年6月)発売の「大人の名古屋」という情報誌に安江歯科医院が載ります(もちろん、そんなに大きな扱いではないですよ。美術館やギャラリー以外でも芸術が楽しめる所として紹介してもらえるようです)
 お気づきの方も多いと思いますが、今年の3月半頃から、診察室の絵を入れ替えてもらいました。3月から5月までは川合治子さんの作品で、絵本の中にいるような、正体不明だけど、かわいらしくユーモラスな作品9点。今は酒井陽一さんの作品で、光る題材が、アルミの板の上にシルクスクリーンで描かれたクールなものが9点(7月半ばまで)。その後の予定はまだ打ち合わせ中ですが、そんな企画を2ヶ月ごとに展開していく予定です。もちろん自前では無理なので、以前からの友人でギャラリストの竹松千華さん(GALLERY IDF http://www.gallery-idf.jp/)に全面的にお願いしています。
 以前から診察室内に掛けていた絵も、ほとんどがGALLERY IDF さんで紹介してもらった作家の方達ものでしたが、これからはそんな若手の作家の作品が数多く楽しんでいただけるようになりました。もともと、歯医者なんて緊張してしまうところうですが、少しでも和んで、気を粉らせていただいて、できれば芸術を楽しむ余裕を持っていただければうれしいです。

インプラントの使い回しについて

 ここ2、3週ほど、豊橋市のある歯科医院で行われていたインプラントの使い回しが報道され、世間を騒がせています。
 私が見聞きしたのは、週刊誌やワイルドショーの報道程度ですから、真意のほどはよくわかりませんが、インプラントの使い回し以外にも様々な違法行為が行われていたとのことですし、同じ歯科医として、恥ずかしい、腹立たしい思いでいっぱいです。
 そもそもインプラントは、骨の中に埋め込むまで、手術用の減菌済み手袋ですら触らないように注意して扱うものです。それなのに、、、
  本当に情けない話です。しかし、こんなことをするのは、ごくごく一部の者であることをご理解下さい。多くの歯科医師は、患者さん皆さんのために、最良の治療をしようとしています。そのために研鑽を積み、日々努力しています。その点だけは、ぜひご理解いただいて、かかりつけの先生との関係を良好に保ち続けてください。

「咬む」ということ

 今回は治療や物の話ではありません。「咬む」ことについてお話します。
「咬む」ことは、食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、いろいろは働きをしています。
 たとえば「咬む」ことによって、唾液の分泌が活発になります。
唾液には、以前ここでお話ししましたようにひじょうに多くの有益な作用があります。食べ物の消化や味覚、さらには歯や粘膜の保護や体そのものを守る免疫の作用まで、非常に様々です。その唾液が多くなるということは、その恩恵をうけやすくなるということです。
 また、最近よく耳にするようになりましたが、よく「咬む」かたの方がボケにくいとも言われています。「咬む」ことによる神経への刺激が脳によいようです。
 さて、「咬む」ためには何が必要でしょうか?まずは歯です。健康な歯が、健康な歯ぐきに支えられて、適切なかみ合わせに、うまくかみ合う動きをすることが大切です。歯と歯ぐきを健康に保つことは皆さんもよく意識されていると思います。かみ合わせと咬む働き(咬みかた)はいかがでしょう?意識していますか?
 実際には、かみ合わせそのものを変えることは意識するだけでは無理です。かみ合わせそのものを変えるには、歯並びを変える矯正や歯の形や高さを変える治療が必要です。しかし、咬みかたは意識次第で変えられます。片方ばかりで咬む癖があったり、食べ物をすりつぶす動きに変な癖があったり、頬杖をつくなどの癖があると当然動きは不自然になります。咬みかたにも新ためて注意してみると、より健康的に過ごせるかもしれませんよ。

 親知らずを抜いた事がある方はお分かりだと思いますが、親知らず(智歯)の抜歯は大変なことが多く、痛みも強い事が多いのです。場合によっては、腫れたり、発熱してしまう事もあります。そんな辛い思いをしてまで、なぜ抜かなくてはならないでしょう?
 それは、親知らずが正常に生えてこないことによって、様々な弊害を引き起こすからなんです。最近の若い方はとくにそうですが、顎がスマートになったのに、その割りに歯の大きさは大きいままなので(一説には歯が大きくなっているとの説もあります)、親知らずが生えるスペースがないことが多く、そのため親知らずが横向きに生えたり、あるいは骨の中で横向きになって隣の歯を押してしまったりします。隣の歯が痛んだり、歯並びが歪んできたりしてしまいます。そのため抜歯せざるを得ないのです。
 しかし、そのように横向きになっている親知らずの抜歯は、普通の歯を抜くよりも大変なのです。特に下の親知らずはそういう傾向にあります。それで、巷でよく言われる『親知らずをぬいて、ひどい目にあった』なんてことになるのです。
 ただ、親知らずといっても必ずしもすべて抜かなけばいけない訳ではありません。上に書いたようなトラブルの原因になっていなければ、そのままでも構わないのです。逆に、将来のブリッジや義歯の支えになってくれたり、移植する可能性を考えると、保存しておいた方が良い場合もあります。一番奥の歯なので、ブラッシングが難しかったり、頬を咬みやすかったりと条件が厳しいのですが、しっかり手入れができれば保存もありだと思います。その辺はかかりつけの歯科医師の先生に相談してみてください。
 その時、抜歯の必要がないと言われたら、しっかり管理して保存していきましょう。しかし、もしそこで、抜歯を勧められたら、早めに抜歯することをお勧めします。いずれ抜歯をしなければいけないのなら、若いうちに抜歯をしておいた方が楽です。なぜなら、歳とともに骨は硬くなり、抜きにくくなりますし、また、抜いた後の傷の治りも遅くなるからです。
親知らずの抜歯は、気が進まない処置だとは思いますが、よく検討してくださいね。

ブラッシングの補助器具のお話

 皆さんはもちろん毎日歯磨きをなさっていると思います。1日2回から3回でしょうか?その際、歯ブラシ以外にも何かお使いですか?歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、ウォーターピック、舌用ブラシなどです。
 最近は、口腔衛生を気にされるかたも増え、以上のような器具をお使いの方も多くなってきていますが、これから使ってみようという方や、使い方や選び方が分からない方にアドバイスです。
 まず、歯の隙間を磨くにはデンタルフロス(以下フロス)か歯間ブラシを使ってください。フロスは歯の隙間に物があまり詰まらない、比較的若い方用。歯間ブラシは歯の隙間が開いてきて(歯肉がやせて隙間が広がったようになっているという意味です)、物が詰まりやすくなった年配の方用と考えていただいて良いと思います。フロスは少し歯に押し付けるように、ノコギリのように動かしながら使ってください。ワックスでコーティングされている物の方が使いやすいと思います。歯間ブラシは、サイズに気を付けてください。ご自分の歯の隙間より細い物を選んでください。そのブラシを歯の隙間に通してこするのですが、片側の歯だけにこすりつけるように磨いてください。両側の歯が同時に磨けるようにでは、そのブラシは太すぎて、かえって歯肉を傷つけてします恐れがあります。
 次にウォーターピックですが。これはジェットの水流で隙間や付け根をきれいに洗い流す物です。補助器具というには高価かもしれませんが、気持がいいですよ。
 舌用ブラシは、その名の通り、舌を磨くブラシです。舌の表面には細かい凹凸があり、そこに舌苔という汚れがつくことがあります。舌苔は口臭の原因とも言われ、決して良い物ではありません。普通の歯ブラシでも磨けますが、強くこすり過ぎると炎症を起こしたり、味覚異常の原因になったりするので、力がかかり過ぎないような構造を持った専用のブラシが開発されています。特に口臭が気になる方にはおすすめです。
 以上、何かの参考になれば。

被綴物(被せもの)の材質のお話

 虫歯の治療のゴールは、虫歯で失われた歯質を人工物で補うことです。それら人工物は長年の研究によって安全性や安定性が確認されたものばかりですが、今も新たな材質が加わり続けています。最近では、耐久性に加え審美性も重要視されてきているからです。
 皆さんも歯科治療な際にどんな物を詰めたり、被せたりするかで悩まされた経験があるかと思います。それぞれ一長一短がありますが、以下に簡単に説明します。

  1. 金銀パラジュウム(金パラ)
    保険診療で使われる最も一般的な銀色の金属です。口の中での安定性や硬さなどの条件は十分ですが、金属色の見た目が最大の難点です。詰め物(インレー)、被せもの(クラウン)両方でつかわれます。
  2. レジン
    小さな詰め物に使うことが多い、樹脂系の材料です。歯の色に合わせて何色もの中から選べ、審美性は充分ですが、時間の経過とともに変色してしまうのが問題です。保険の前歯の被せもの(差し歯と言う方もみえますね)の白い部分や義歯にもつかわれています。
  3. 金合金
    1の金パラと同じ使い方ができます。保険がきかないので高額になりますが、金パラよりも柔らかく、歯や歯茎へのダメージがすくなくてすみます。金色が目立ちやすいのが欠点です。
  4. 白金加工
    3の金合金と似た性質です。色が金よりも目立ちにくいのが特徴です。
  5. セラミック
    白い材質で、詰め物、被せもの両方で用いられます。審美性が高く、変色もありません。だだし自然の歯よりも硬く、かみ合わせの相手の歯が磨り減ったり、それ自身が欠けたりすることがあります。被せものの場合、内面に金属を使うメタルボンドと内面も白いジルコニアなどを使うオールセラミッククラウンがあります。保険の適用外です。

などなど、様々な材質のものがあります。歯の部位や削った部分の大きさ、硬さやかみ合わせの他、値段などの面を考慮し、選択してください。かなり、舌っ足らずな説明になってしまいましたが、かかりつけの先生とよく相談して検討してください。

顎関節学会に行ってきました
 さる7月25,26日大阪で開催されました第21回日本顎関節学会に行って参りました。臨時で休診とさせていただきましたので、ご迷惑をお掛けしてしまったかもしれません。申し訳ありませんでしたが、その分勉強してきたつもりですので、お許し下さい。
 この学会は私が歯科医師になって以来17年間毎年参加している唯一の学会で、その名の通り顎関節症をはじめとする顎関節疾患やその研究に関する学会です。
 今年も様々なテーマの発表が見られましたが、その中でも私が注目しましたのは、顎関節症に悩んでいる方々の多くが、無意識のうちに上下の歯を噛み合わせている(食いしばりほどの力を入れていないものも含む)。そして、その癖を直すと多くの方に症状の改善が見られた、というものです。私も以前から不必要な食いしばりはしないように、との指導は行ってきましたが、もっと軽い接触でも影響があるようです。基本的に上下の歯は1〜2mm.隙間が開いているのが、顎にとっての安静ですから、普段はその隙間を維持するように意識していただくだけで、ある程度顎関節症の症状は緩和できるのかも知れません。心当たりのある方は、ぜひ試してみてください。
 また、そもそも顎関節症ではないのに、その症状が酷似しているために顎関節症と診断されてしまう疾患もいろいろあります。そういった鑑別も解りやすい講演がありました。今後の診療に生かしていこうと思っております。

お詫びと説明(言い訳)
 ここ半年ほど、特に今年に入ってからの予約困難な状況について、多数の皆様から苦情をちょうだいし、大変心苦しく思っております。申し訳ありません。
 約4年強、当安江歯科医院に勤め、皆様にもかわいがっていただきました水野先生が、2月に天白区野並にて開業しました。それに先立ち、昨年いっぱいで退職いたしましたが、その後の歯科医師の採用に手間取っておりました。その間、診療時間を延ばすようといった要望も頂戴しましたが、当院はもともと他の歯科医院さんよりも長い診療時間を設定しておりますので、体力的にも現在の診療時間が限界です。ご理解を頂きますよう、よろしくお願い致します。
 さて、新しい歯科医師についてですが、ようやくめどが立ちました。大阪の大きな診療所(歯科医師が15、6名いるそうです)に数年勤務していた匠原(しょうはら)先生が、この4月より週3日程度勤務してくれます。曜日がはっきりしていませんが、安江歯科医院のシステムに慣れたらバリバリがんばってくれると思いますので、期待してお待ち下さい。もちろん、今働いております父安江高根、名大から派遣の廣中先生、そして私安江一紀も今まで以上に頑張っていく所存です。
 今後も予約の面で不便、不自由をおかけしてしまうかもしれませんが、ご理解とご協力をお願い致します。そして、予約の変更などはできるだけ早めにご連絡いただきますよう、よろしくお願い致します。

ドライマウスのお話し
 前回、唾液は口の中だけでなく、全身にとって有益な働きをしてくれている、というお話をしました。 しかし近年、その唾液の量が減少する症状に悩む方が増えています。ちまたでドライマウス(口腔乾燥症)といわれるものです。 これは疾患というよりは、症候群といったものですが、お口の中の粘膜が乾いて痛む、ものが飲み込みくい、ネバネバしてにおいが気になる、など様々な症状があります。
 症状同様、原因も様々です。中でも多いと言われているのが服用している薬剤の副作用です。 高圧剤(血液を下げる薬)、抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬)、抗不安薬などの精神科の薬などに多く出ると言われています。また、唾液を作っている唾液腺そのものに異常がある場合もあります。唾液線の炎症、唾液の管が詰まる唾石、自己免疫疾患のシェーグレン症候群などです。中でも、シェーグレン症候群は目や鼻など他部位の粘膜も乾燥するという特徴があります。
 生理的な乾燥もあります。加齢による唾液線機能の低下、緊張、発汗などの脱水、就寝中も唾液の分泌量は少なくなります。最近多く相談を受けるのは、いわゆる更年期です。閉経により女性ホルモンの分泌が減少すると唾液の分泌量も激減します。
 こういった様々な原因によって生じるドライマウス症状ですが、対応は対症療法が中心になってしまいます。薬剤の副作用の場合は変更が可能かどうかを主治医の先生に相談してみてください。シェーグレン症候群ははっきりと診断が下れば有効なくすりがあります。その他の場合は、適度な水分補給やうがい、唾液の分泌を促す味(酸っぱいものなど)を意識して摂取することなどが有効です。今はお口用の保湿剤も何種類も出ています。また、味覚異常を伴う場合は亜鉛やビタミンBを採るようにして下さい。魚介類、特に牡蠣がおすずめです。
 虫歯や歯周病だけでなく、こういった乾燥などの不快症状も歯科の仕事です。かかりつけの歯科医師にお気軽に相談してみてください。

唾液のお話し
 皆さん、唾液(つば)と聞くと最初に「汚い」とお感じになるでしょう。唾棄すべきヤツ、天にツバする、など唾液(つば)はなにかとマイナスイメージを伴った言葉として使われています。しかし、実際の体の中では、非常に多くの重要な役割を担ってくれているのです。
 すぐに思いつく役割は消化でしょうか。食べ物の中のデンプンは口の中で唾液によって消化されます。これが消化の始まりです。その後胃や腸で様々な栄養素が消化吸収されますが、口はその第一歩なのです。その他にも食べ物の味を感じるのにも唾液は必需品です。
 食べ物の中の味覚物質が唾液に溶けることによって舌の味蕾に届いて味を感じるのです。また、唾液は口の中を洗い流す洗浄液の役割も果たします。食べ物のカスがいつまでも口の中に残らないように口の中をきれいにしています。そして、潤滑油のような働きをして口の中を滑らかに、食べ物を飲み込みやすくもしています。更に、体外からやってくる異物を排除したり、免疫反応で無害化したりするのも唾液の役目です。虫歯菌が作る酸を中和し、虫歯の発生を抑えるのも唾液の働きの一つです。
 細かく述べると唾液の素晴らしさはまだまだ挙げることができますが、これだけでも唾液がいかに重要なものかお分かりいただけたと思います。
 この唾液。最近唾液の分泌が少なく、口の中が乾いてしまうドライマウスが増えているようです。私の診療所でもドライマウスが原因と思われる不快症状をお持ちの患者さんが増えて来たように思います。次回は、このドライマウスについてお話します。

骨粗鬆症のお話し
 本日(平成19年10月5日)の中日新聞に載っていましたので、ご覧になった方も多いと思いますが、歯科用のレントゲンで骨粗鬆症のスクリーニングができるようになりました。と言いましても、条件の制約も多く、また100%確実な方法ではないので、あくまでもスクリーニングですので、お間違えないようにご注意ください。
 骨粗鬆症とは、全身の骨の中にあるカルシュウムが減少し、骨がもろくなってしまう病気です。転倒などによって骨折し、その後寝たきり原因になってしまう恐れのある危険な病気ですが、一般的にはあまり自覚がなく進行してしまう場合も多く、社会的にも問題になってきています。
 その骨粗鬆症が歯科用のレントゲン写真(オルソパノラマX線と言う顎全体を写すレントゲンです)の写り方で、ある程度判断できることがわかってきました。愛知県歯科医師会が全国に先駆けて行った講習を受けた歯科医師なら誰でも行えます(先日私も講習を受けてきましたが、かなり大勢の先生方が受講されていました)。
 ただし、50歳以上の閉経後の女性で、あくまでも歯科治療のためにレントゲン撮影を行った方に限りますので、ご注意下さい。また、骨粗鬆症の可能性を判別する方法でありますので、100%の診断は、内科、婦人科、整形外科などの専門の医師によってくだしていただく必要があります。
 また、もし骨粗鬆症の診断がくだった場合、以下の点にご注意下さい。骨粗鬆症の治療に用いられる薬の中には、その後の歯科治療が困難になる可能性のあるものがあります。もし、歯科治療、特に抜歯などの外科的な処置が必要なかたは、担当の先生と相談の上、可能でしたら歯科治療を先に受けていただくことをお勧めします。

「予約制」のお話し
 今回は、今までのような治療方法や材料のお話ではなく、システムのお話をしようと思います。現在、当院も含め、ほとんどの歯科診療所は予約制で診療しています。他の診療科では特殊な検査(MRIなど)を除くと、あまり予約制で診療しているところは少ないと思います(精神化、心療内科も予約制が多いかもしれませんが)。ほとんどが先着順ではないでしょうか?それはなぜでしょう?
いくつか理由があります。

  1. 型を採った後、いわゆる銀歯や入れ歯を作るのにある程度の日にちが必要で、完成の期日をあらかじめ決めておいた方が仕事がスムーズにできるから。
  2. 神経の治療のときなどは、使用した薬の効果を判断するのに、または炎症が落ち着くのにある程度の時間が必要だから・・・などなど、いろいろな理由がありますが、一番はこれではないでしょうか。
  3. 治療の多くに歯科医師の手が必要だから(もちろん、歯科衛生士による予防処置は、歯科医師が行う治療とは独立していますが)。
例えば、ある日の同じ時間に内科にかかられる患者さんの数と歯科にかかられる患者さんの数を比べてみるとどうでしょう?圧倒的に内科にかかられる患者さんの方が多いと思います。歯科は物理的に治療できる患者さんの数が限られるのです。ですから、効率良く、できるだけ皆さんにご迷惑の掛からないように診察するために予約制を採用しているのです。少なくとも当院ではそう考えています。
ですから、皆さんにお願いです。当院に限らず、歯科診療所にかかろうとお考えの方は、できるだけ事前に予約をしてからお出かけ下さい。
また、予約した時間の都合が悪くなった方は、できるだけその旨を電話などでお知らせ下さい。ご理解とご協力をよろしくお願い致します。

「マウスガード」のお話し
 マウスガードがどんな物か、ほとんどの皆さんはご存知じだと思います。ボクシングの選手が口の中にいれているアレです。ボクシングに限らず、空手などの格闘技や、ラクビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツの選手もよく使っていますね。マウスガードはそういった特殊なプロの選手が使うものと考えていませんか?そうではありません。学校の部活動でそういったスポーツをやられる方や、もちろん趣味でやられる方も、ぜひマウスガードを使うようにして下さい。歯や顔面の骨は、ぶつかり方によっては比較的簡単に折れてしまうことがあります。歯や骨が折れないように、また折れた歯で他の部位や他の人を傷つけないように、マウスガードを使うようにして下さい。
 マウスガードはスポーツ用品店で販売している物から、我々歯科医師が型を採って作るものまでいろいろなタイプがあります。市販の物はお湯で温めて軟らかくした物を自分の歯に押し当てて型を整える物が多いようです。このタイプでぴったり合う方はそれで良いでしょう。しかし、多くの方があまりシックリいってないようです。そういった時はぜひかかりつけの歯科医師に相談して下さい。厚み、色、形など相談しながら、ぴったりの物を作ってくれるはずです。

「顎関節症」のお話し
 近年、顎関節症という言葉がテレビや雑誌でよく取り上げられています。皆さんも耳にされたことがあると思います。ただ、必ずしも正しく報道されているとは限りません。私も顎関節学会の会員の一人として、皆さんに顎関節症を正しく認識していただきたいと考えて、今回のお話をさせていただきます。
 顎関節症の定義とは何でしょうか?実は、時代によって少しずつ変わっているのです。ですからここでは、比較的広く受け入れられている定義をお話します。顎関節症は運動時痛(口を開いたり、ずらしたりした時に痛む)、開口時雑音(口を開け閉めした時に耳の前で音がする)、開口障害(大きく口を開けのくい)のいずれか一つ以上の症状があり、 先天奇形や骨折などの外傷や腫癖、リウマチなどの炎症が原因でない顎関節の異常なのです。ですが、実際には関節内部に炎症が起きていることもしばしばあり、ハッキリ定義しにくいのです。
  またその原因ですが、これも様々です。以前はかみ合わせの異常が大きな原因と考えられていましたが、最近はそれも否定的です。なぜなら、歯並びやかみ合わせが悪いにも関わらず、顎関節症の症状が表れていない方も多いからです。ですが、かみ合わせの不具合や咬み方の悪い習慣(片側ばかりで咬む癖など)はある程度悪影響をおよぼしているようです。また、お子さんの頭が顎にぶつかるといつた外力によって起こることもありますし、合わない入れ歯や冠が原因になることもあります。もともとの顎の骨の形や筋肉にも影響を受けます。原因は非常に多岐にわたっていて、それらが複合して顎関節症になると考えられます。
  さて、実際に顎関節症の症状が出現してしまったらどうしたら良いでしょうか?ご自身では以下に点に注意して下さい。
  1. 症状がある間は硬いものや大きいものを咬まない。
  2. 片側で咬む癖がある方はその癖を治す。
  3. 頬杖など、顎を押さえることをしない(特に上方や後方)。
こういった簡単な注意を守っていただくだけでも軽症のかたは楽になることがあります。ですが、必ず早めに歯科医院に相談してください。

「定期健診」のお話し
 皆さんは、どんなときに歯科医院に行かれますか?虫歯が痛くなった時、歯槽膿漏が気になった時、入れ歯の調子が悪くなった時などなど色々でしょう。昔はそうでした。しかし、最近はなにも調子が悪くない時に歯科医院に来院される方が増えてきました。  そう、今日のテーマは定期健診です。
 以前、歯や歯ぐきのトラブルで嫌な思いをされた方や、今後も健康的な口腔でいたい方など、きっかけは様々ですが、痛みなどのトラブルがなくても来院されるのです。「痛くないのにすき好んで歯医者になんか行かなくても・・・・・」そう思われる方も少なくないと思います。でも逆なのです。痛い思いをしなくて済むように定期的にチェックを受けに来られるのです。そして、自分では気付かなかった虫歯などのトラブルを、小さいうちに発見し、治療した結果、嫌な思いをすることなく解決できてしまうのです。
 今の幼稚園児たちは、歯医者を怖がらない子が多くなりました。なぜなら歯医者で痛い思いをしていないからです。もちろん、治療の前から泣き叫ぶ子もいますが、少なくなってきました。それは、定期的に検査をし、予防処置を受け、治療が必要でも簡単な処置で済むうちに治療を受けるからです。これは大人の方にもあてはまります。幼少時の嫌な記憶のせいで、歯医者嫌いになっていらっしゃる方は大勢おみえです。しかし、勇気を振り絞って、痛くなくても定期的に歯科医院に通っていただいているうちに慣れてしまうものです。まだの方もぜひ、そういった方々の仲間入りをされることをお勧めします。
 歯周病は慢性疾患です。お口の生活習慣病と言っても良いでしょう。自覚症状が出る前から進行していることが多いのです。ですから、自覚症状が出現する前に対策をとるべきです。そのためには、何もトラブルが起きていないうちから点検をする習慣を身につけるのが一番です。
 定期健診の間隔ですが、口の中の細菌は3〜4カ月で除去しにくい集団になると言われています。ですから3〜4カ月に一度の検診と歯垢・歯石の除去をお勧めします。もちろん、歯並びの状況などにより、個人差がありますので、詳しくはかかりつけの歯科医師に相談ください。

「弾性樹脂」のお話し
 皆さんは「超弾性樹脂義歯」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 多分ない方がほとんどでしょう。
 新しい技術によって可能となった新しい義歯のことです。何が新しいかというと、その名のとおり、 弾性があるのです。
 今までの義歯はプラスチックのような硬い素材でした。ですから、歯茎にあたって傷がついたり、痛んだり といったことがありました。
 しかし、この素材は弾性があるので、ある程度の歯茎の凸凹には適合できるのです。
 また、その弾性を利用して、今までは金属で作られていたバネの部分(自分の歯にひっかけている部分)も樹脂で作れるようになったのです。
 そのため、パット見ただけでは入れ歯と分からないように作ることができるようになりました。
 そして、歯の付け根の歯と歯茎の境目まで覆うことができますから、食べたものが挟まるといった不快な ことも起きにくくなりました。
 さらにありがたいことに、吸水性が低いため、色や臭いもつきにくくなりました。
 ただし、こんな良い素材にも欠点があります。それは、継ぎ足しができないことです。
 つまり、修理や裏打ちができないのです。ですから、完全にお口の中の状態が落ち着いている方でないと お勧めできないのです。
 しかし、ものは考えよう、眼鏡やコンタクトレンズと同じように考えていただいて、ある程度の期間で作り替えることを前提にしていただければ問題はありません。
 今までの「部分入れ歯」に満足されていない方は、一度ご検討されては如何でしょうか?

「新しい歯科用機器」のお話し
 今回は新しい技術のお話しです。最近の科学の発展はめざましく、そのおかげで歯科用機器も様々な新技術が開発されています。比較的身近なところでは、歯科用レーザーやデジタルレントゲン、歯科用ミニCTでしょうか。前回お話しした「インプラント」も新しい技術ですが、今回は材料ではなく器械のお話しです。
 当院でも、今年のお正月休みにデジタルレントゲンを導入しました。デジタル化したメリットは様々ですが、まずは皆さんが浴びる放射線が少なくて済むというのは大きいと思います。通常のレントゲン装置でも歯科用のものはほとんど気にする必要はありませんが、特にデジタルでは通常のものの最大80%減で撮影が行えます。また、現像のための待ち時間がありません。さらに、画像の処理が可能なので、今までなら撮影し直していたような画像も補正して見ることができるのです。つまり、取り直しのリスクも激減したのです。この他にも、拡大縮小ができる、長さが簡単に測れる、保存管理や検索が簡単である、といったメリットがあります。
 残念ながら、デメリットもあります。センサーが今までのフィルムよりも厚みがあり、かつ固いので、撮影部位によっては苦痛を伴なうことがある点です。これはわれわれが技術を上げて対応するしかないと考えています。
 当院では、まだまだこれらのメリットを最大限に活かしているとは言えませんが、今後さらに研鑽を 積み、皆さんのための診療に活用していくつもりです。
 歯科用レーザーなどその他の新しい機器についても、おいおいお話しをさせていただく予定です。お待ち下さい。

「歯のクリーニング」のお話し
近年、虫歯や歯周病の治療や予防のためではなく、歯を白くするために歯科医院に来院される方が増えています。
歯の着色や変色もその原因によって様々です。
外来の物による着色、例えば「たばこのヤニ」や「コーヒー」「お茶」「ワイン」などの 『ステイン』は歯のクリーニングで比較的簡単に落とせます。
方法は、専用の機械を使い、シリコンラバー製の器具に専用の歯磨剤を付けて高速で回転させて磨きます。(回転式の電動ブラシの先がブラシではなく、シリコンラバーになったものと考えて下さい) 歯の形や部位によって先の器具を代えることで様々な場所が磨けます。
歯磨剤は、粒子の細かい研磨剤が入っていますが、歯や歯ぐきを傷つけることなく磨けるようになっていますし、フッソが入っているものが多いのでその効果も期待できます。
また、このクリーニング(正式名:PMTC)は、着色を取るだけではなく、本来は歯の付け根や歯ぐきの陰に付着した「バイオフィルム」を除去するための方法です。
「バイオフィルム」とは細菌が自分がつくりだしたネバネバの物質の中で集団になっているもののことで、いわゆる「歯垢」です。 「歯垢」は歯周病や虫歯の原因ですが、バイオフィルムの状態になっていると薬では退治できません。
バイオフィルムを物理的に除去するしか退治の方法はないのです。 そこで「PMTC」です。
ですから、着色が気になる方だけでなく、歯周病の予防を考えていらっしゃる方にも 「PMTC」は有効です。 第一、PMTCの後は口の中が非常にスッキリしますので皆さんにお奨めします。

「歯みがき」のお話し
 今回は歯磨きについてです。歯磨きは、虫歯予防にはもちろん、歯周病(歯槽膿漏と言われた時代もありました)の予防にも非常に重要な行動です。歯磨きにも、その目的や個人の状況に合わせていろいろな方法がありますが、私は以下の3種類に分けてお勧めしています。

 まず乳幼児期の歯磨きです。この時期は保護者の方の仕上げ磨きが主役ですから、本人が行う歯磨きは、方法よりも歯ブラシに慣れてもらうことが一番大切です。そこで、年齢に合った歯ブラシを選んでいただいたら、どんな磨き方でも良いので、本人にやらせてあげて下さい。そして、強制することなく歯ブラシに慣れるのを待って下さい。歯ブラシに慣れるには個人差があると思いますが、幼稚園の年中、年長くらいには、そろそろ小児用の方法を覚えてもらいましょう。やり方は簡単です。上下の歯を合わせたところに歯ブラシを垂直に(まっすぐに)当てて、円を描くように動かします。本人が十分に歯磨きをしたら最後に仕上げ磨きをしてあげて下さい。その方法は次に書く青少年用と同じで良いと思います。ちなみに、小学校の低学年の間は仕上げ磨きをしてあげることをお勧めします。

 次に青少年期の歯磨きです。この時期は何よりも虫歯予防のための歯磨きです。その方法は、上下の歯を別々に磨きます。どんな順番でも結構ですから、歯の表、裏、咬む面、それに上下左右、自分の口の中で磨く順番を決めて下さい。決めたらその部分の歯に垂直にブラシをあてます。そして細かく横磨きをして下さい。具体的には歯と歯の間に入ったブラシの毛先がそこから出ない程度の動かし方です。少しオーバーに言ってしまうと、シャカシャカといった音が出たら大きく動かし過ぎと考えていただいていいと思います。そのくらい細かく動かして下さい。そして、そんな細かい動かし方をするためには、もち方も重要です。ブラシを握るのではなく、ペンの様に持って下さい。そうすると比較的細かい動きもやりやすくなると思います。そんな細かい動かし方では、一度に磨ける歯はせいぜい1〜2本です。その部分を20回磨いて下さい。それから次の部分も同様に20回磨いていって下さい。どうでしょうか?今までよりもかなり時間が掛かってしまいますね?忙しい方は夜だけでも結構です。この方法を行ってみて下さい。

 続いて30代以上の方です。基本は青少年用と同じです。しかし、この世代の方々には歯周病予防を考えていただかなければなりません。そのためには、歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間です)の中を磨かなければ意味がありません。歯周ポケットの中を磨くためには、毛先がポケットに入るようにブラシを傾ける必要があります。ブラシを歯に垂直に当てるのではなく、45°傾けて下さい。それだけで、ポケットの中がしっかり磨けます。その後の動かし方は同じです。ただし、歯ブラシの種類を変えて下さい。毛先が細かくなっている歯ブラシのコマーシャルをよく目にすると思います。あのタイプの歯ブラシがこの方法にはぴったりです。ぜひそういった歯ブラシを使って、正しくしっかりと磨いて下さい。

 最後に電動歯ブラシについて一言。電動歯ブラシ、最近では音波歯ブラシや超音波歯ブラシなど、性能の良いものの数多く出ています。しかし、歯磨きは道具よりも方法です。せっかくの高価な電動歯ブラシも、うまく使えなくては宝の持ち腐れです。正しい方法を身に付けてから電動を使用されることをお勧めします。

「虫歯」のお話し
 ご存じのように、虫歯(ウ蝕)は口の中の虫歯菌(ミュータンス菌などと呼ばれています)が、食べかすなどを消化する際に出す酸が原因です。ですから、その課程をどこかで断ち切ってしまえば虫歯はでてきません。すなわち、虫歯菌をなくすか、食べかすをなくすか、酸に強い歯にするのです。
 人は生まれた時には虫歯菌を持っていません。しかし、生活していく中でいつしか、虫歯菌を持つようになってしまいます。その主な原因は家族からの感染だと言われています。つまり、赤ちゃんの時期の口移しや同じ食器を使っての食事などです。理想的にはそういったことはしない方が良いのかもしれませんが、愛情表現のひとつとして考えれば一概にやめるべきだとは、言いがたいです。ちなみにペットとのキスも同様です。では、その後虫歯菌を繁殖させないようにするにはどうしたら良いでしょうか?
 虫歯菌のえさである食べかすをなくすのです。そのためには、正しい歯磨きが一番です。歯磨きの方法については別で述べますが、食後の歯磨き、特に夜の歯磨きは大切です。ぜひ、習慣にしてください。
 もうひとつの虫歯菌を繁殖させない方法があります。キシリトールです。キシリトールは人口甘味料の一種で、虫歯菌はえさと勘違いして食べようとします。しかし、キシリトールは虫歯菌のえさにはならず、酸を出させないばかりか、虫歯菌を退治してくれます。ですから、キシリトール入りのガムや歯磨きは虫歯予防に有効といえます。
 最後に、歯を強くする方法です。これは昔から言われていますが、フッ素が有効です。車の塗装と勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが、歯にフッ素を塗ると、歯の成分の一部にフッ素が取り込まれ、成分が変わります。この成分が歯をもとの状態よりも強くしてくれるのです。ですから、フッ素でコートするのではありません。歯は生えたての状態では、まだ未完成です。唾液の中のカルシウムなどが沈着して強くなっていきます。ですから、生えたての歯は非常に弱く、虫歯になりやすいのです。この時期にフッ素を塗ると虫歯になりにくい歯ができるのです。しかし、一度強く変わった成分もいつしかもとに戻ってしまいます。その周期は諸説ありますが、半年ごとにはフッ素を塗っていった方が良いと考えています。
 虫歯予防のためにはご自身の日頃の努力と、プロによる定期的なチェックとケアが重要です。ぜひ、かかりつけ歯科医をつくり、ご一緒にお口の管理をしていってください。

 以上、虫歯予防についてのとりとめのない話でした。今後もみなさんのお役にたてるよな情報を提供できるようにしていきますので、よろしくお願い致します。

「インプラント」のお話し
 いままでは、虫歯予防や歯磨きの話をしてきましたが、今回は不幸にして歯を失ってしまった場合のお話です。

 歯を失ってしまった場合、今までは総入れ歯や部分入れ歯、またはブリッジで補うのが常識でした。もちろん、今までもそういった治療法が一般的ではあります。しかし、近年インプラントが急速に普及してきました。皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?そこで、今回はインプラントを話題にしてみましょう。

 実はインプラントは最近開発されたものではなく、何十年も前から行われていたものでした。しかし、インプラントとは言っても現在のそれとは違い、素材も方法も様々でした。現在主流のものは、チタン製のもので、顎の骨の中にねじ込んで固定するものです。そういった形になったのは20〜30年前でしょうか。その後も表面が骨と結合しやすいように、またできるだけ歯を失ってから短期間で咬めるようにと開発が進んでいます。

 部分入れ歯は、とりはずし式のために様々な欠点があります。異物感がある、物がはさまりやすい、ずれると痛い、使っているうちに臭いがしてくるなどなどです。ただし、歯を削らなくて良い、比較的やり直しがきく、保険でできるといった利点もあります。また、ブリッジにも、材質によっては保険がきく、固定式なので違和感が少ない、治療期間が短いと行った利点がありますが、土台にするために場合によっては健康な歯を削らなくてはならないという大きな欠点があります。

 もちろん、インプラントにも欠点はあります。保険がきかないので高額である、顎の骨に埋める手術をしなくてはならない、治療期間が長いといった点です。しかし、隣の歯を削らず、しかも固定式なので違和感もないというのは魅力だと思います。

 ただし、歯がなくなった部分の大きさ(何本の歯をうしなったか)や、インプラントを入れるべき部分の骨の量やかみ合わせなど、個人個人で条件が違います。必ずしもインプラントが第一選択ではありませんが、今後は失った歯を補う方法としてインプラントも考えてみてはいかがでしょうか?ぜひ、かかりつけの歯医者さんで相談してみてください。
△このページの上へ
 
Copyright OS Plaza All rights reserved